<障害者用の職場で働く私の体験記シリーズ>
その障害者仲間は今年で60歳になる。
その人は去年
腎臓を1つ摘出する手術を受け
体力的にも精神的にも
かなり負担が増えてしまった。
食事制限でお酒が飲めなくなり
煙草も吸えなくなった。
只でさえ知的障害で苦労が多いというのに
その上、足の悪い要介護の母親を
たった一人で面倒みているというのに
神も仏もいやしない。
休憩時間、一緒に飲み物を飲んでいると
「死にたくない」
と小声で弱音を吐く事がある。
それでも毎日毎日
私に笑顔で話しかけてくれるのだ。
欲深くなく、穏やかで優しい
私の好きな障害者仲間である。