しょーもない障害者のオッサン

旧Twitter現X→0046真吾@0046_405

「誰にも生を望まれない、誰の親でもない老人達。」

 

 10年くらい前

私は介護がどんなものかと思い

研修を受けに山奥の特別養護老人ホーム

少し通った事がある。

 

その時、子供のいない老人に

何人か会ったが

特に悲壮感を感じる事はなかった。

ただ、老人ホームそのものに

悲壮感があった。

 

子供がいても

特別養護老人ホーム

足繁く通う老人の家族なんて

そこには殆ど居なかったのだ。

 

その老人ホームで

未だに心に残っている事が3つある。

 

1つは、東京に住んでいる子供から

老人ホームに誕生日祝いのプレゼントに

洋服が送られて来たのだけれど

その老人は筋固縮していて

送られてきた服を着ることが出来なかった事。

「たまにくらい会いにくれば、こんな服が着られない事くらい解かるだろうに。」

と、職員さんが送られてきた服を

どうにか着せてあげようとしていた時に

そんな感じの事を言っていたと思う。

 

もう1つは、脳の障害で寝たきりになり

ずっとその老人ホームにいる

50代の女性の事だ。

最初の内は旦那さんが

よく来ていたらしいのだけど

もう何年も、ずっと来ていないと

職員さんが教えてくれた。

 

あともう1つは、若い女介護士

引っかき傷だらけの両腕である。

暴れる痴呆老人を介護している時に

引っかかれた傷である。

 

こんなに精神的にも肉体的にもキツくて

給料がコンビニバイトレベルなら

万年人手不足なのは当たり前である。

私も結局、介護の仕事に付く事はなかった。

 

何にせよ、大きな悪事をしでかさなくとも

家族から見放される事はある。

 

 

https://i.pinimg.com/474x/23/19/d4/2319d473239759e07538c8fc6d604ff8.jpg